日本および英国における
製薬企業と医療セクターの関係
社会科学者と医師による学際的連携を通じて、
医療における透明性ガバナンスの改善を目指す
予算:GBP 5,150(108万5千円)
プロジェクト状況:進行中
期間:2023年8月15日~2025年8月14日
本プロジェクトは、医療ガバナンス研究所の医療チーム(代表:尾崎章彦 理事)と、英国バース大学・社会政策・社会分析センター(Centre for the Analysis of Social Policy and Society:CASPS)の社会科学者(代表:ピョートル・オジェランスキー博士)による、長年にわたる国際的共同研究を基盤としています。
本研究の目的は、製薬企業と医療セクターの協働関係における「透明性」を検討することです。透明性の確保は、これらの協働から生じうる、患者安全や医療の質を損なう金銭的利益相反に対処するための主要な政策的アプローチであることから、本研究の中心的テーマとなっています。
プロジェクト概要
本プロジェクトでは、英国と比較した場合の日本の課題に注目しています。日本は、製薬企業と医療セクターの相互作用に関する透明性の一部については大きな進展を遂げている一方、他の側面では課題が残されています。
これまでの共同研究では主に、製薬企業が医療セクターに支払う金銭の開示ルールや、両者間の資金の流れのパターンの分析を行ってきました。本プロジェクトではこれらの手法に加え、新たに専門家へのインタビューを実施し、協働に関与する当事者や、それを規律するルール策定者への聞き取りを行います。
質の高いインタビューデータ収集を可能にするため、日本人医学生1名がバース大学CASPSに滞在し、質的研究手法(エリート・専門家インタビューや公共政策分析を含む)に関する特別トレーニングを受けます。この研修は、CASPSの透明性研究リーダーであるオジェランスキー博士が担当します。
研修を受けた学生は他の研究者と共同で、日本の関連政策ステークホルダーに対しエリート・専門家インタビューを実施し、これまでの政策研究の成果を発展させるとともに、日本における透明性ガバナンスが英国とどの程度類似または相違しているのかを明らかにします。この研究は、日本において製薬政策研究を主導してきた尾崎章彦医師の監督のもと、バース大学所属の著名な社会学者と密接に連携しながら進められます。
本研究の成果は、学術論文として発表されるほか、CASPS主催の医療における透明性と利益相反に関する政策ラウンドテーブルに反映されます。このラウンドテーブルには、英国および日本の研究者、産業界、患者団体、政策立案者が参加予定です。
プロジェクトチーム
医療ガバナンス研究所(日本)
バース大学
予定されている成果物
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日本人医学生のCASPSへの研究・研修滞在
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日本の製薬政策に関わるステークホルダーへのエリート・専門家インタビュー
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英国・日本の研究者、産業界、患者団体、政策立案者を集めた、透明性と利益相反に関する政策ラウンドテーブル
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将来の共同研究を促進するための、助成金申請・論文執筆ワークショップ

