医薬経済WEB
研究員 尾崎章彦
【連載】第53回 薬のおカネを議論しよう 製薬企業の講演会で講師を務めた理由 2021年11月15日号
『いわき市の調剤薬局「くすりのマルト」を対象とした勉強会であり、直接処方誘導につながらないこと。もうひとつは、講師謝金の受け取りを拒否でき、金銭的利益相反に繋がらなかったことである。
改めて、清水氏に尋ねると「製薬企業と医師との関係性に疑問を感じていた」際に、「地域医療に医師として貢献しながら、製薬会社と医師のお金の関係にメスを入れる(筆者の)行動に大変感銘を受けた」…「1人のMRとして、医療従事者の間を動き回り、広い視点で医師には見えていない地域の課題を提供したり、医療者同士のコミュニケーションの機会を提供したりする」ことに注力している…
…重篤な副作用もある。結果として、調剤薬局との連携がこれまで以上に重要になっているが、現場では、そのような関係構築まで手が回らない。一方で、調剤薬局の方々…「医師への連絡は気が引ける」と言う。双方が顔の見える関係性を求めている…筆者にとっては、謝金を受け取らずともお釣りが来るような経験だった。
製薬企業は、このような強みをもって、もっと対等な関係性で講演会の講師を医師側に依頼すればいいのではないかと言うことである。もちろん謝金の支払いには、それ自体、「含み」があるわけだが、それが、一部の医師の「タカリ」につながったり、製薬企業の首を締めてきたりした面もある。医師にとっても、謝金を受け取らないほうが、患者の代弁者としての本来の職務に則って、製薬企業と仕事をできるはずだ。』
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