親子の日 エッセイコンテスト 2025
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研究員 金田侑大
開催・応募期間:2025年5月1日〜8月31日
研究員・金田侑大が、「親子の日 エッセイコンテスト 2025」で親子の日賞を受賞しました。
以下に受賞作をご紹介します。
「医療と親孝行、庭の草取りで見つけた同じ根っこ」
金田 侑大 28歳 福島県いわき市
私はこの春から医師として働き始めた。
中高と私立の学校に通わせてもらった上に、浪人や留学も経験させてもらい、気づけば28歳でようやく社会に出ることになった。
遂に手にした初任給。
母に、「何か欲しいものある?」と尋ねると、「何もいらないから、家の庭の草取りをしてほしい」と笑われた。
ゴールデンウィークに実家に帰省した際、私は母の言葉を思い出し、実に、小学生ぶりとなる草取りに精を出した。
青春時代をテストに追われて過ごしていた自分の体には、5月の陽ざしさえまぶしく、ずいぶんとこたえた。これを母は、私が机に向かっていた頃、何も言わずに一人で全部やってくれていたんだなと思うと、胸の奥まで日焼けしてしまいそうな思いだった。
医師になってまず最初に、私は師匠に、「患者さんは自分の親を見るように診なさい」と教わった。人と向き合ううえで本当に大切なのは、相手が求めていること、ニーズに耳を傾け、それに応えること。
母への草取りも、医療の現場も、その根っこは同じなんだなと感じた。
あの日、草取りの後に言われた母からの「ありがとう」は、今も白衣の内側で、どこか消化不良のまま引っかかっている。

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