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Foresight

理事長 上昌広

Foresight(2020/8/13) 【連載】医療崩壊 (40) 不備だらけ「感染症法」の早急改正で「PCR検査」を増やせ

 日本は特異な国だ。真夏の北半球で感染者が増加している先進国は少なく、G7(先進7カ国)では米国と日本くらいだ。

この図が示しているのは感染者の絶対数ではなく、増減の変化率を時系列で示している点だ。日本の増加が異様であることが一目瞭然だろう。

 日本は新型コロナ対策を推進するにあたり、構造的な問題を抱えている。それは、「感染症法」の不備だ。感染症法を早急に改正しなければ、第2波は抑制できず、第3、4波でも同様の事態を招く。(感染症法には)無症状者に対してPCR検査を行う法的な根拠がない。感染症法でPCR検査が認められているのは、感染が疑われるもの、および濃厚接触者だけだ。

 世界の世界の新型コロナ対策の基本は、流行地域で無症状者を含め、広くPCR検査を実施することだ。感染拡大が問題となっていない国でも、この方法を採用している。無症状者の中には医療従事者や介護従事者も含まれる。医療従事者や介護従事者が感染しても、無症状で通常通りに勤務すれば、患者や入居者にうつしてしまう。持病を抱える高齢者が感染した場合、その致死率は高い。

〔 転 載 〕MRIC(Medical Research Information Center ) メールマガジン(2020年10月8日)

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