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医薬経済WEB

  • eyamashita1101
  • 10月3日
  • 読了時間: 1分

理事 尾崎章彦


薬のおカネを議論しよう 署名の前に知っておきたい「臨床試験とお金」の話 第145回


2025年9月15日号


カペシタビン術後療法をめぐるCREATE‑X試験の構造――保険適用と研究倫理を問う視点から


カペシタビンは中外製薬が開発した薬剤ではないものの、日本では長らく同社が販売を担ってきました。現在、この薬剤を高リスク乳がんの術後補助療法に保険適用するよう求める署名活動が進んでいます。


CREATE‑X試験とは、日本と韓国で実施された臨床研究で、標準治療にカペシタビンを加えることで有効性が示されましたが、「日常診療」の枠組みで実施され、その過程で薬剤販売による利益も発生していました。そのため、治験基準を満たさず、保険適用には至っていません。


この試験には、中外製薬から受け皿団体を通じて多額の資金が提供されていましたが、公開された論文には資金提供元として団体名のみが記載されました。また、著者の9割で利益相反の不適切開示があったことも、別の論文で明らかにされています。


筆者が利益相反研究に踏み出す原点となったCREATE‑X試験。有効性の足元に落とされたいくつもの影を描き出した一編です。



Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

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