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日刊ゲンダイDIGITAL

理事長 上昌広

【連載】どうする、どうなる「日本の医」コロナ感染防止効果はせいぜい2割なのに…なぜ日本人はマスクを外さないのか 2022/6/12

実は、マスクがコロナ感染を予防する効果は低く、かつ効果があるという医学的なコンセンサスはない。臨床医学の世界では、メタ解析の結果は「最高レベルのエビデンス」と評価される。今年2月、韓国のサムスンメディカルセンターの医師たちがコロナに対するマスクの効果を検証(メタ解析)した結果は、一般人を対象とした2つの臨床試験をまとめると22%感染のリスクを減らしていた。しかしながら、両方とも、統計的に有意ではなかった。これは、研究で示された有効性は単なる偶然でも説明が可能で、医学的には効果は証明されていないことを意味する。


 だから、マスクは着けるべきでないと、私は主張するつもりはない。ただ、現在の医学的エビデンスに基づけば、嫌がる人に装着を無理強いする必要はないし、そもそもマスクの効果には限界がある。マスクの着用については、科学的な議論が必要である。

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