理事　尾崎章彦 薬のおカネを議論しよう　シドニー大学訪問記　第141回 2025年7月15日号 https://iyakukeizai.com/iyakukeizaiweb/detail/179675?pdf=true シドニー大学での国際協働──利益相反研究の最前線をめぐって 　シドニー大学を訪問し、利益相反研究の第一人者であるバーバラ・ミンテス教授と再会しました。今回の訪問では、利益相反研究に関する講演を行うとともに、患者団体調査など幅広いテーマで意見交換を実施しました。 　特に、 製薬マネーデータベース「Yen For Docs」 の紹介には大きな関心が寄せられ、医療研究の透明性と独立性をめぐって活発な議論が交わされました。 　バーバラ教授の教えである「会いに行くことの大切さ」を改めて共有し、信頼に基づく国際協働の本質を再確認する機会となりました。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

研究員　坪倉正治 【コラム】坪倉先生のいきいき健康ナビ　No.71 ※葛尾村広報誌（P14） 令和7年度7月号 https://www.katsurao.org/soshiki/1/2025-kouhou.html 原発事故時にも診療を継続するために──松江赤十字病院の取り組み 　島根原子力発電所から約9キロに位置する松江赤十字病院では、原発事故が起きた場合にも診療を継続するため、業務継続計画（BCP）の見直しが進められています。 　この取り組みには、東日本大震災・福島第一原発事故で得られた知見が直接生かされています。 　著者らは現地を訪れ、福島で得た教訓をもとに、必要な備えや実践的な対応策を伝えました。 　「とにかく避難する」という選択肢だけでなく、「とどまり、地域の医療を守る」という備えが、具体的な形として動き始めています。 　今後も、現場で培われた経験と知見を取り入れながら、地域の医療体制を守るための準備が着実に進められています。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

理事長　上昌広 大腸がんや胃がんの一部には手術が要らなくなる?!　米国の衝撃研究の中身 2025/7/8 https://medical.mainichi.jp/articles/20250704/mmd/00m/411/007000c 手術を回避するがん治療──新たな時代への兆し 　米国で実施された臨床試験が、英医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン（NEJM）』の巻頭・巻頭言で紹介されました。 対象は、ミスマッチ修復機能欠損を持つ固形がん患者です。術前に免疫チェックポイント阻害薬を投与し、がんが完全に消失すれば手術を行わないという新たな戦略が検討されました。 　治療を完了した103人のうち、84人が完全奏効を達成し、そのうち82人が手術を受けずに経過観察となりました。再発は5人のみで、2年間の無再発生存率は92％に達しています。 　がん治療におけるパラダイムシフトを示す結果として注目されています。 　一方、この治療法は対象患者が限られ、がんの種類によって効果にばらつきが見られます。そのため、多くの患者では早期に手術へ切り替える判断が求められ、治療経過を継続的かつ正確に把握するモニタリングが不可欠です。 　こうした中で注目されるのが、血中循環腫瘍DNA（ctDNA）を用いたリキッドバイオプシーです。画像検査で捉えきれない再発の兆候をリアルタイムで検出する可能性が示される一方、単独での活用には限界があり、今後の研究の進展が期待されています。 　日本でも個別化医療の研究が進んでおり、この分野の臨床研究への関心は高まりつつあります。 世界の最前線で進む試みを知ることで、がん治療の未来に新たな希望を感じさせる内容となっています。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

理事長　上昌広 日本のメディアが報じない「マイクロプラスチック」の怖さ　食物連鎖で植物の葉から人体へ、心筋梗塞のリスクは"喫煙で肺がん"並みの衝撃 2025/6/26 https://toyokeizai.net/articles/-/886354 植物が大気中からマイクロプラスチックを吸収し、それが食物連鎖を通じて人体に蓄積する――。本稿では、こうした経路の存在について、国際誌『ネイチャー』『NEJM』などに掲載された最新の研究成果をもとに論じています。 2006年から2021年にかけて、胎盤からの検出率が60％から100％へと上昇した経年変化や、心血管疾患・認知機能への影響を示す臨床報告にも言及。科学的根拠に基づき、マイクロプラスチックの健康影響を再検討する必要性を提起しています。 一方で、日本では健康リスクとしての報道や政策的議論は限定的です。すでに世界では、健康問題としてのマイクロプラスチック対策が動き始めており、国際的な知見に主体的にアクセスすることが、これからの社会に問われています。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

理事長　上昌広 【コラム】「総合的な生活サポート」と若手医師 2025/5/7 https://times-web.com/ 物価高騰や診療報酬改定による経営環境の変化の中、若手医師が進むべき領域はどこにあるのか――。 高齢化が進み、老衰や誤嚥性肺炎といった“支える医療”の比重が高まるいま、治療にとどまらず暮らしそのものを支える「総合的な生活サポート」の重要性が増しています。 本稿では、福井と相馬の二拠点で後期研修に取り組む当研究所の研究員・小坂真琴医師の実践を紹介。地域に根ざした医療の現場で、多職種との連携や自治体との協働に挑む姿を通じて、次世代の医療がめざす方向が浮かび上がります。 「患者と地域に真摯に向き合いながら、自ら将来を切り開く医師になってほしい。小坂君ならきっと、それができる。私はそう信じている」 ――上先生のことばには、教科書では学べない“現場のエネルギー”に飛び込んだ若手医師への確かな信頼と期待が込められています。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

インターン　上田賢典 【コラム】違和感を覚える医療費抑制とアメフト部の絆 2025/5/21 https://times-web.com/ 高額療養費制度の見直しに関する報道をきっかけに、制度の背景や本質に目を向けた本稿。 病院実習で直面した現場の問いを通じて、「医療費の抑制は本当に善なのか？」という根本的な視点から考察が展開されています。 あわせて紹介されているのは、東京大学アメリカンフットボール部で培った“信頼と自主性”の文化。 監督不在・学生主体という独自の運営スタイルは、薩摩藩の「郷中教育」にも通じる精神性を備えており、臨床のチーム医療や後進育成にもつながる視点として描かれています。 信頼できる指導医との出会いが視座を広げ、論文執筆という新たな挑戦にもつながりました。 現場での経験と学びを丁寧に結び直しながら、次世代医療の担い手としての一歩を力強く踏み出しています。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

研究員　谷本哲也 薬のおカネを議論しよう　世界の売れ筋薬30年史：市場の構造転換を読み解く　第138回 2025年6月1日号 https://iyakukeizai.com/iyakukeizaiweb/detail/179573 世界の医薬品市場における「売れ筋薬」の30年変遷を、10年ごとに振り返る歴史的俯瞰。 ザンタック、プロザックから、ヒュミラ、キイトルーダ、GLP-1受容体作動薬へ――。 疾患構造の変化、バイオ医薬品の台頭、製薬戦略の進化が立体的に浮かび上がります。 市場拡大の陰で浮かぶ、患者負担と医療の持続可能性という課題。 その構造に触れながら、「薬価」にまつわる議論へ一石を投じる視点も含まれた一稿です。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

研究員　山本佳奈 「それ、パニック発作じゃない？」 ゴジラが背後から迫るような焦燥感を女性医師はどうやり過ごしたか 2025/5/28 https://dot.asahi.com/articles/-/257429?page=1 日常に潜む「パニック発作」というテーマについて、自らの体験と、近年の脳科学・呼吸研究の知見を交えて考察した一稿。 「深呼吸で発作が落ち着く」という経験が、神経回路や呼吸制御に関する研究を通じて理論的に裏づけられていく過程を描いています。 終章で語られる「ひとりで抱えなくていい」というメッセージは、心理療法（とくに内的家族システム：IFS）の視点にも通じ、自己理解と回復に向けた穏やかな視座を示しています。 科学的な記述と個人の実感が丁寧に交差する、やわらかな共感に包まれる一稿です。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

研究員　山本佳奈 【コラム】祖母と祖父、老々介護で抱え込む苦渋 2025/4/23 https://times-web.com/ 高齢の夫婦が支え合う「老々介護」の現場で起こる、すれ違いと静かな思いやり。 本稿では、“心配をかけまい”とする優しさが、結果として相手の不安を深めてしまう――そんな日本人らしい感情の機微が描かれています。 控えめで、言葉にはならない気遣い。 そのやりとりの中に、昭和の家族を思わせるあたたかさと、現代の介護課題が重なります。 “声に出せなかった気持ち”を丁寧に描いた一篇です。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

研究員　坪倉正治 【連載】「坪倉先生の放射線教室」527　過去の燃料デブリ、参考に 2025/4/26 https://www.minyu-net.com/news/detail/2025042612285935723 🧩「燃料デブリ」 先週は、小石などに変わってしまった膨大な”量”についてでした。 今週は、過去のチェルノブイリ事故やスリーマイル島事故で発生したデブリの事例を紹介し、福島の廃炉作業において、過去の経験から得られる”教訓”が重要であることを伝えています。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

理事長　上昌広 震災から14年、福島の復興と教育の課題：旧帝大合格者数から見える地域格差 2025/4/23 https://japan-indepth.jp/?p=87227 🎓 七帝大の進学率と、福島の進学実績に関する分析記事です。 旧帝大（東大・京大・東北大）の合格者分布から見える地域の違いや、福島県の進学状況、そして高等教育が復興に果たす役割が論じられています。 今回は、本文とあわせて図表が多数掲載されています。 掲載された6点の図表は、医療ガバナンス研究所で作成したもので、 18歳人口あたりの合格者数を基準に、都道府県別の傾向を可視化しています。 📊 記事では、図表が「視覚的に語る役割」を担っており、文章と図の両面から教育格差の現状が伝わる内容です。 （後編） 福島医大から始まる地域再生――高等教育が育む復興の力」 https://japan-indepth.jp/?p=87498 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).

研究員　坪倉正治 【連載】「坪倉先生の放射線教室」528　「象の足」今も厳重に監視 2025/05/03 https://www.minyu-net.com/news/detail/2025050311232635953 チェルノブイリ原発事故で発生した「燃料デブリ」、特に有名な「象の足」について解説されています。 燃料や構造物が高温で溶け合い形成された「コリウム」と呼ばれる特殊な物質、 事故当時の発見状況や、現在の管理体制についても触れられています。 Summary by E. Yamashita, MEGRI (based on original articles authored by others).