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時事ドットコムニュース

理事長 上昌広

時事ドットコムニュース(2020/9/22) 【新型コロナ】世界の潮流から外れる日本 ~第2波対策、米欧中はPCR検査強化~

「7月16日、政府の分科会は、無症状の人に対するPCR検査について、公費で行う行政検査の対象にしない方針で合意し、政府に提言した。翌日に配信されたウェブメディアの記事「必要なのは、全ての無症状者への徹底的なPCR検査ではない。(表題抜粋)」によると、分科会後に会見した尾身会長は、無症状者への検査拡大に否定的な考えを示したという。自民党の行政改革推進本部が、医療機関や医師が必要と判断すれば、保健所を介さずに公費でPCR検査を実施できる体制をつくるため、感染症法の改正が必要だという提言を取りまとめたことへの反発だ。

 全ての無症状者への徹底的なPCR検査」など、誰も要求していない。医療従事者や介護従事者、あるいはホームレスなどの社会的弱者は無症状でも公費でPCRを受けることができる体制をつくろうと言っているにすぎない。」

「最近まで厚労省医系技官のトップを務めた鈴木康裕・医務技監も、尾身茂・分科会会長も偽陽性の確率を1%として議論を進めている。英科学誌『ネイチャー』は7月9日号に「コロナの検査は感度より頻度が重要」という記事を掲載した。コロナは環境中に存在しないし、適切にプライマーをセットすれば、ヒトの遺伝子と交叉反応することはないからだ。さらに、国立感染症研究所の方法に従えば、PCRを2回かけることになるので、特異度は高い。

 偽陽性の確率は1%どころでなく、おそらく限りなくゼロに近いだろう。だからこそ、繰り返し検査をして、感染者の見落としを減らそうとしている。感染者を見つけ、治療・隔離するには、PCR検査を増やすしかない。

 感染していない人には経済・社会活動を続けてもらわなければ、社会は維持できない。世界はPCR検査の限界を認識しながらも検査数を増やし、コロナとの共存を目指している。」

「厚生福祉」より転載(2020年08月25日 第6589号)

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