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MRIC

理事長 上昌広

Vol.001 2021年新年によせて 2021年1月1日


明けましておめでとうございます。新しい年を迎え、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

お陰様で、2004年1月に始まったMRICは、今年で18年目を迎えます。ここまで続けることができたのは、皆様のお陰です。この場をお借りし、感謝申し上げます。


さて、今年はどのような年になるでしょうか。私は日本が真価を問われる年になると考えています。


2020年に引き続き、今年も新型コロナウイルス(以下、コロナ)対策が大きな課題となるでしょう。昨年、コロナ対策は、日本社会の地盤沈下を浮き彫りにしました。


政府は「日本型モデル」の成功と自画自賛しましたが、東アジアで人口当たりの感染者数、死者数は最大で、GDPの落ち込みは最低です。


欧米と比べると上手く対応したという声もありますが、アメリカと比べて40分の1以下、欧州で最も感染者数が少ないドイツと比べても10分の1以下の感染者しかいないのに、「重症ベッドは切迫」など医療崩壊が叫ばれています。何か根本的なところが間違っていると言わざるを得ません。


コロナの特徴は無症状感染者が多く、彼らが周囲にうつすことです。12月2日にPCR検査体制の強化がもっとも有効なコロナ対策であるという論文を、医療政策のトップジャーナルである『ヘルス・アフェアー』誌が掲載し、話題となりました。


しかしながら、この研究成果について、日本で報じられることはなく、政府は検査抑制方針を見なすつもりはありません。また、「専門家」も、このような対応を問題視しません。いまだに、PCRは偽陽性が0.1%程度(いつのまにか従来の1%から下げられていました)に生じるため、人権侵害、医療崩壊の懸念があると言い続けています。世界各地でコロナ対策の一環としてPCR検査が多用されていますが、そのために医療が崩壊したところはありません。一体、どうなっているのでしょうか。


コロナ対策で痛感するのは、日本には健全な言論が存在しないことです。マスコミは政府の意向をそのまま報じ、多くの学者も「無責任」な「専門家」たちの発言を批判しません。世界から学ばず、独自の道を行けば、そこは破綻しかありません。戦争とコロナ対策、形式は違えども、日本がかつて来た道です。


このような問題を解決するには、様々な専門家が叡智を寄せあい、協力するしかありません。私は、このような議論をするプラットフォームとして、MRICがお役に立てればと願っています。「ここが問題だ」「こうすればよくなる」という現場からの御寄稿をお待ちしています。本年も宜しくお願い申し上げます。

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